潮風とともに
「っっなんでっ!私はっ、私はずっと波瑠のことが好きだったのにっっっ!!!!!
小学生の時からっ、ミキに初めてこの家に連れてきて貰った時からっ!!
どんなに告白したって関心も示してくれなくて、
でもっ、でも、他の女にも興味なんて示さなかったのにっっっっっ!!!!!」
あかりさんの悲痛な声が居間に響く、
「あかり、辞めなよ。」
ミキちゃんがあかりさんを波瑠から引き離そうとするけど、あかりさんはミキちゃんを突き飛ばして嫌がった。
「っ!」
お尻を床に打ち付けて顔をしかめるミキちゃん。
「っ、みきちゃん大丈夫???」
私は思わずみきちゃんに駆け寄った。
「……っ大丈夫、ありがと。」
「波瑠っ!どうしてよっっっ
あんたっ!どんな手を使って波瑠を騙したのよ!!!
どうせその、見苦しい女の武器でも使ったんじゃないのっっ???
夏の前にここに来たとき、波瑠に彼女なんて居なかったのにもう結婚したなんてっっっ!
波瑠はこの女に騙されてるのよっっ!
汚いっ!このあばずれ!!!!!」
っっっっっ!!!!!
その瞬間私の身体がぶっ飛んだ
「瑠碧っっっっっ」
波瑠が私のもとに走りより、
お母さんも心配そうに走りよってきて私を支えてくれた。
頬が熱くて口のなかが苦い。
頬を叩かれた事にやっと気がつく
「あかりっっっ!てめぇふざけんなやっ!」
波瑠が見たこともない顔であかりさんを睨み付ける
みきちゃんとお父さんがあかりさんを掴んでいるけど、
あかりさんは訳の分からない言葉で私を罵り続けている