潮風とともに


「っっなんでっ!私はっ、私はずっと波瑠のことが好きだったのにっっっ!!!!!
小学生の時からっ、ミキに初めてこの家に連れてきて貰った時からっ!!

どんなに告白したって関心も示してくれなくて、
でもっ、でも、他の女にも興味なんて示さなかったのにっっっっっ!!!!!」


あかりさんの悲痛な声が居間に響く、


「あかり、辞めなよ。」


ミキちゃんがあかりさんを波瑠から引き離そうとするけど、あかりさんはミキちゃんを突き飛ばして嫌がった。


「っ!」

お尻を床に打ち付けて顔をしかめるミキちゃん。


「っ、みきちゃん大丈夫???」


私は思わずみきちゃんに駆け寄った。

「……っ大丈夫、ありがと。」



「波瑠っ!どうしてよっっっ
あんたっ!どんな手を使って波瑠を騙したのよ!!!

どうせその、見苦しい女の武器でも使ったんじゃないのっっ???

夏の前にここに来たとき、波瑠に彼女なんて居なかったのにもう結婚したなんてっっっ!

波瑠はこの女に騙されてるのよっっ!
汚いっ!このあばずれ!!!!!」



っっっっっ!!!!!


その瞬間私の身体がぶっ飛んだ



「瑠碧っっっっっ」


波瑠が私のもとに走りより、
お母さんも心配そうに走りよってきて私を支えてくれた。



頬が熱くて口のなかが苦い。

頬を叩かれた事にやっと気がつく




「あかりっっっ!てめぇふざけんなやっ!」


波瑠が見たこともない顔であかりさんを睨み付ける

みきちゃんとお父さんがあかりさんを掴んでいるけど、
あかりさんは訳の分からない言葉で私を罵り続けている
< 194 / 236 >

この作品をシェア

pagetop