潮風とともに
ヤバイ。目が据わってる。。
唖然とみんなが兄を見つめる
「きみさ、何をしでかしたのか分かっていて言ってるの。
君がしたことは不貞行為なんだよ。
籍が入っていなくても、結納をして婚約していたんだからね。
しかも、一度だけの関係ではなく半年間も。
君がごねるようなら、僕は兄としてではなく、弁護士として、出るところに出てきみに慰謝料を請求する。
それでもいいのかな。」
兄が薄ら笑いで剛に詰め寄ると、剛は苦虫を噛んだような顔をした。
「っっ!!!!……わかりました。。。
瑠碧、本当にごめん。でも、愛しているのは変わらないからっっっ。」
そう、すがるようの目で言われた。
「愛しているって言われても、あんな現場見てるんだよ。心が揺れるわけないでしょ。
剛さ、勘違いしないでね。別れたのは浮気を怒ってるからじゃない。
あんなことをしていたって知って失望したの。
もう、今日限りで会いたくもない。」
私がそう言うと、剛は悲しそうに肩を落とした。
「瑠碧ちゃん、本当に今まで良くしてくれたのに、ごめんなさい。。。」
おばさんが泣きながら言うと、ハンカチで目元を押さえた。
「お兄さん、もちろん慰謝料は払います。
重田さん、瑠碧さん、本当に申し訳ありませんでした。」
おじさんはそう言うと、頭をさげた。