潮風とともに

「勝手に電話に出たあかりに俺が切れたのを聞き付けて父さんたちが部屋に来たんだよ。父さんや母さんもあかりのやったことは許せないっていって、、何を勝手に敷居を跨いでるんだって怒ってさ。もう一生俺たちの前には現れるなって怒鳴り付けてた。だから、あかりが俺たちの前に現れることはもうないよ。

それに、瑠碧の兄ちゃんに接近禁止令だされてんだよ。」


おにいちゃん…。
そんなことしてくれてたんだ。。。


私、勘違いして一人で怒って、波瑠、嫌になっちゃったかな。。。

こんなヒステリックになったりして…。

どうしよう。

波瑠に、嫌われたくないよ―――。


気がつくとまた涙がボロボロと溢れおちていく
そんな私の顔をみた波瑠も泣きそうな顔をして、どんどん溢れる涙を親指ですくってくれる。

「瑠碧、俺たちはもう夫婦だ。俺は一生おまえを守る。どんなことがあっても裏切ることはないし、離れない。

赤ちゃんの事で不安定になってるのに、気づいてやれなくてごめんな??
なぁ、瑠碧がいいなら一緒に沖縄に帰ろう。

離れてたら不安な瑠碧の心に気がついてやれない。
声でも分かることもあるけど、傍にいたいんだ。

三月末までって言ってたけど、もう離れたくない。

朝から電話が繋がらなくて、本当に怖かった、、、」

震える声でそう言って抱き締める波瑠も泣いているような気がした。


私ももう離れたくないよ…。

傍にいたい。
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