潮風とともに
「波瑠??不安にさせてごめんね。電話も切ったままにしてごめんなさい。
怖かったの…。波瑠が離れていっちゃうんじゃないかって。
波瑠、私も傍にいたいの。
もう離れられないよ…。」
「瑠碧……愛してる。」
「私も…。」
波瑠が優しい笑みを浮かべながら、少しずつ二人の距離が縮まる。
波瑠の温かくて柔らかい唇が触れたとき、また涙が溢れた。
明日、退職届を出そう。
幸い一か月休んでいたのもって抱えてる仕事はない。
みんなに迷惑かけるけど、もう波瑠と離れたくないし、
たった一日でこんな風になるのなら、
自分の為にも沖縄に一緒に帰りたい。
その思いを波瑠に伝えると、波瑠は嬉しそうに抱き締めてくれた。
「瑠碧、ありがとう。一緒に帰ってあっちでのんびりしような。仕事は瑠碧がしたいと思ったときにしたらいい。
弘人だってわかってくれてる。」
「うん。そうだね。迷惑かけちゃうけど、そうする。
ね、お腹すいたでしょ?ごはん食べよ!!」
帰り道は食欲もなくて、なにも買って帰ってこなかったから冷蔵庫には何も入ってない…。
「瑠碧、今から作るの大変だからピザでも頼もうよ。
ゆっくりしよ?
俺、朝からバタバタこっちに来たからゆっくりしたい」