潮風とともに
あ、そうだよね。
私が電源を切ってたから、波瑠は心配してこっちに来てくれたんだもん。疲れてるよね。
「波瑠ありがとう。来てくれて嬉しい。
作るのめんどくさくなっちゃったから、ピザにしよ!」
私は波瑠にむかって微笑んでからピザのチラシを波瑠に渡した。
「瑠碧はやっぱり笑顔が一番かわいい。
おれ、本当に幸せだわ…。」
ブツブツ何か言ってる波瑠を気にしながらも、コーヒーを淹れるためにキッチンに戻った。
二人分のコーヒーを持ってソファーに戻ると、ピザの注文が終わった波瑠が何やら真剣にケータイを見つめていた。
「?波瑠??そんな真剣にどうしたの??」
「ん??瑠碧が一緒に沖縄に帰るなら住むところ早く探さないとと思ってさ。
この際、家でも建てたい気持ちでいるんだけど、それにしてもそれまで住む場所は必要だろ?」
家!?建てるの????
「えっ、家建てるの??別に賃貸でもいいよ?」
「ずっと考えてたんだけどさ、家賃払うくらいなら同じような額ローン払った方がいいかなって思って。
敷地ならいくらでもあるし。」
あー、そうだよね。それはそうかも。
波瑠の家も大きかったし、近くに家が建てられそうな敷地はあった。
「そうだね。じゃあ家を建てるのは地元の波瑠にまかせます。」
私がそう言うと嬉しそうに波瑠はどこかへ電話をし始めた。