潮風とともに
ファミレスに入るとすでに座っている彼を見つけて、彼の前に座った。
驚いた彼が私の顔を見て、一瞬安心したような顔をしたけど、無表情な私の顔を見て、ひきつったように固まった。
「……で?説明って何。
婚約したばかりの彼女が泊まりに来るのが分かっていながら、他の女を連れ込んで、ベッドで散々喘がせて、終いにはイカせてたって、どうやって説明してくれるの?」
私がゆっくりと、目をそらさずに言うと、
彼がどんどん顔を歪めていく。
「ごめん。出来心で……」
「出来心で抱いたの?本気じゃないとでも言いたい?」
私は薄ら笑いを浮かべた。
悲しみより怒りと憎しみが勝って、どうしても彼を受け入れられない。
何を聞いても許せないのだと思った。
「本気やない!!!俺はお前と結婚するし、
あっちが酔った勢いで誘ってきて……
俺も酔ってたから少しくらいええかなって思ってしまって。。。」
「今日が初めてじゃないよね。剛、今酔ってない。
いつから裏切ってたの。」
っっっ!!!
剛が裏切ったと言う言葉を聞いて息をつめた。
「出会ったのは半年前で……すぐにそうゆう関係になってた……ほんまごめん。おれ、別れたない…………」
「半年前???
うちにプロポーズした頃。。。」
私は小さく溜め息をついた。