潮風とともに


「……はる??どうしたの?」


「なんでもない。」

そう言うけど、不機嫌には違いなくて……


私がなにかしたんだよね……。

どうして、怒っちゃったんやろ。。。


波瑠の不機嫌な空気にどうすることもできず、俯いて歩いていると、波瑠が溜め息をついたのがわかった。


「……ごめん。そうじゃなくて……
んぁあ!何て、言えば良いかわからないけど。


……ヤキモチだよ。男どもが瑠碧のことじろじろみてて……

さっきのカップルの男も鼻の下伸ばして瑠碧を見てたからムカついた。

ごめん。不機嫌になって……」


ヤキモチ……。


少し照れたように言う波瑠に胸がキュンとなった。

「誰も私の事なんてみてないよ。見てたとしても、
私には波瑠しか見えてないから心配しなくても大丈夫。

私だって、さっきから波瑠こ事を見てる女の子たちにヤキモチ妬いてるんやから!」


そう言って波瑠に抱きついた。

波瑠は驚いたようで目を見開いている。


背の高い波瑠を見上げると自然に上目使いになってしまうけれど、私は波瑠の首に腕を回して頭を引き寄せ唇にキスをした。


周りにいた人達の息を飲む音や、学生の冷やかす声が聞こえてきても止めずに唇を寄せる。

最初は戸惑っていた波瑠も、私の腰に腕を回して答えてくれた。
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