潮風とともに
「波瑠からは美穂たちみたいに結婚を前提にって言われてないけど、いずれはちゃんと言うから待っててって言われてる。
でもさ、怖くて……
きちんとした約束なんてしてないから、こっちに引っ越してくることなんてできへんし。
波瑠はかっこいいし、優しいからモテるもん。
離れてるのが不安になる。
でも全部を、捨ててこっちに来たとしてもダメになるかもしれへん。」
私は剛との事を考えて後ろ向きになってしまっていた。
「瑠碧がこわい気持ちもわかるよ。住んだこともない所に引っ越してこやなあかんねやし。
でもそれは、お互いの信じる気持ち次第じゃない?
近くにおってもダメになるときはダメになる。
でも、お互いが強く想い合ってたら大丈夫。」
そうだよね。
波瑠を信じて待っていれば、いずれずっと一緒に過ごせる日が来る。
私はその日を大阪で待とう。
連休が取れたらまた遊びにきたらいいし、
電話もメールもいつだってできる。
美穂の言葉でまた少しは前を向けたような気がする。
「剛が原因でトラウマになってるのかもしれないけどさ、
間違いなく、剛より波瑠くんとのほうがしっくりきてるよ。
たったの二日なのに、想いあってるのがめっちゃ伝わってくる。」
そう言われて嬉しくなった。