潮風とともに
「波瑠?仕事抜けてきて大丈夫なん?
弘人さんに、真人さんは波瑠の幼友達だって紹介してもらっていただけだから、安心して?」
ね?と波瑠に言って聞かせるようにいうと、
シュンとしたように頷いた。
「でも、真人さん。私が大阪に帰ったら波瑠のこと、しっかり見ててくださいね?波瑠がいくら他に目がいかないっていっても、ハイエナたちはチャンスを伺ってますから。既成事実なんて作られたら大変!
よろしくお願いしますね??」
私はニコッと笑って首をかしげた。
真人さんはコクコクと頷いて、絶対に波瑠を守ると約束してくれた。
「俺は大丈夫だっつーの。」
波瑠に頭をこづこれたけど、肉食系ハイエナたちは今か今かとチャンスを狙っているはずだから。
私は、先程のフロントの女性を思い浮かべていた。
「さ、真人くんが波瑠を守ると決まったところで、
私たちは観光にでも、いきましょうか!ね、瑠碧」
「そうだね?いこー」
私たちが席を立つと、三人も一緒に出入口まできて見送ってくれた。
「美穂、運転気を付けてね?いってらっしゃい。」
「はーい、いってきまーす!」
「いってきまーす!」