潮風とともに


じゃあ行こうか。と悟さんに言われて、私たちは荷物をコインロッカーに入れ、波瑠からもらったラッシュガードを持って店を後にした。


海について、ジャケットを渡されて上から被る。


海にはバナナボートが浮かんでいてカズくんに手伝ってもらいながら跨ぐと、グラグラして不安定なところがまた面白かった。

一番前に美穂が乗り、私はまん中に乗った。

「じゃあ、いくよーーー」

悟の声に頷くと最初はゆっくり旋回していたのに、段々と早くなり、急に曲がったり、速度を緩めたりするから、

私たち三人は何度も海に放り出された。


それがまた楽しくて、落ちるたびに美穂と大笑いしてはカズくんに引き上げられ、、を繰り返した。



「あぁーーーたのしい!!もう化粧した意味なしだよね!


そう美穂が言うのでお互いに見てみるとほとんどメイクは取れていて、また大笑い。


楽しすぎて時間はあっという間に過ぎていった。



そのまま沖まで出てシュノーケルも楽しみ、午前中いっぱいゆっくりと海を楽しんだ。



店に帰ると、ゆかりさんとミキちゃんが出迎えてくれて、
メイクの取れたて私たちを見て、悟さんがやたらと責められていた。


「あーあ、波瑠に言ってやろー。悟が瑠碧ちゃん苛めてたって。」


「っちょ!マジでやめろ!俺殺される!

我が子を見る前に死ぬとか嫌だ!!」

そう必死になる悟さんを見てみんなで笑った。
< 83 / 236 >

この作品をシェア

pagetop