夏の奇行
鏡を見ると、目の下にこれでもかとメイクをしたぐらい、げっそりとクマを作っていた。
やはり徹夜は駄目だ。どうしてこう、考えだすと眠れなくなってしまうんだろうか。
私は高校生になったばかりの頃から、大学へ行かないと決めていた。それは家にお金がないというのもあるが、ただ単に勉強をしたくなかったのである。
そんな理由で?としつこくラインを送ってきていた奥田 茜は言っていたが、これが私の選んだ道だから、と強く念を押した。
就職を選んだ環菜はもちろん、高校三年の夏に休みなどない。
就職セミナー、模擬面接、それ以前に就職する場所だってまだ迷っているのに。
進学の方は受験に追われていて、環菜には到底耐えれないと思った。