ホスト恋
蓮を振り切って、台所に行くと、鍋からスープが溢れていて大変な事になっていた。
『ねぇ、大変!蓮!』
と、
助けを求めたにも関わらず、
蓮は私が振り切って行ってしまった事にふて腐れていて、無視。
『ねぇ、蓮!』
「何?」
やっと、反応してくれたけど…この冷たい感じは気のせいだろうか。
『手伝って』
「やだ」
『じゃ、いいよ。蓮のお願い事は絶対しないから。馬鹿』
1人で黙々と片付けをしていると…ソファーに座っていた蓮が突然、立ちあがった。
え?どこに行くの?
と、
思ったら、
私の所に来て、後ろから腰の辺りに手を回し首元にキスをしてきた。
『やだ。離れて』
嬉しい反面、ムカついて、冷たく当たる。
「何、怒ってんの?美愛ちゃん」
『……』
それはお互い様じゃん、と思ったけど…私は大人だから言わない。
こういう時だけ、大人になる私。
こういう時だけ子どもっぽくなる蓮。
いつもとは真逆の関係で笑える。