見えそうで見えない君
「由比、レストラン予約してあるけど、今からどうする?」

「え?レストランって、、、」

由比の中ではお決まりのパターンが読まれている。


「何時もいくじゃん」

やっぱりこの世界では彼氏なのかな

そんな事を思いながら次の予定を考える。


「この部屋を満喫したい!」

「じゃぁ、そうしよう」

由比の意見に反論する事なく受け入れてくれる。

由比は心の片隅で現実もこんな彼氏だったら良いのにと思ってしまう。

いっぱい写真を撮ってはしゃいで疲れたがこれから行くレストランが楽しみでワクワクが止まらない。

どんなに、はしゃいでも笑ってくれる男と居ることに安定感すらら覚えた。



「由比、そろそろいこうか」

またもや、手を差し伸べてくれる。
その手を握る。
2人は手を繋いだままレストランへ向かう。


周りから見たらカップルに見えるのかな?なんて思ったりもする。


レストランでは好きなキャラクターが席まで来てくれる。

「写真とって!!」

由比がお願いすると尚輝と名乗る男は文句も言わず撮ってくれる。

2時間楽しむと由比は尚輝に楽しかった事を伝える。

「本当に楽しかった!ねぇ尚輝は?」

「たのしかったよ。由比が満足できたなら尚更」

ホテルに戻ると、どっと疲れが出たのか由比はベッドで横になる。
その間、尚輝がお風呂に湯を張ってくれる。

「由比、お風呂湧くまでいつもの見るでしょ?」

あぁ、いつも見るチャンネルのことまで知ってるんだ。

「俺、タバコ吸いに行くけど」

尚輝がタバコを吸うことを初めて知った。

「あ、私もいく‼」

戻って来たらお風呂入れるだろうと2人で喫煙所に行く。

家族サービスで疲れたお父さん、カップル様々な人がいる。
座れる所が1席。

「由比、座っていいよ」

なんてレディースファーストな…なんて思いながら甘える事にする。
1日歩き回って足もパンパン。

お互い吸い終えると尚輝から
「行こっか」
と声がかかる。

部屋に戻るとお風呂は湧いていて、優先的に由比に譲ってくれた。

広いお風呂で泡ブロを満喫する。

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