ただ、愛してる。
はぁ、何やってんだ私。

13時、会議室。
私は入り口に近い椅子に座って、パタッとテーブルに伏せた。


これから企画についての説明がある。
だから中津さんも来る…はず。

中津さんのことは、好きで居ても仕方ないって思ったばかりなのに。

なんで私はこの企画に参加したの。
隙あれば中津さんを振り向かせいって思ってんの?

自分が何したいのか分からなくなってきた…


ガチャ。

「!」


扉が開く音にビクッと身体が震える。

咄嗟に顔をあげて、資料に目を通していたフリをした。


「…っ」


振り向かなくても分かる。
存在感のあるオーラ。

その人は黙って、私の隣に座った。


「お疲れ」

「お疲れ様です…」


やっぱり中津さんだ。


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