ただ、愛してる。
「……お前はさ、そうやってる方がいいよ」

「どういう意味ですか、それは」

「ん?そのまんまの意味だけど」


優しい顔で私を見てくる中津さんに、私はドキッとしながらまたしても顔を反らした。

何でそんな表情で私を見るの。

変に期待してしまう自分が居て、嫌になる。


「そうやって女の人をたぶらかしてるんですか?」

「…は?」

「この前話してた人にも、同じようなこと言ったりしたんですか?」

「何それ」


ほら、また私のせいで変な空気になってく。

さっきまで笑っていた中津さんも、声のトーンが低くなって、何となく機嫌を悪くしてるのも分かる。


ああ、やっぱり私は誰かを好きになるなんて、向いてないのかもしれない。

そう思うと、じわりと目頭が熱くなった気がした。


「おま…「お疲れ様でーす」


中津さんが何か言いかけたと同時に開く扉。

続々とメンバーの方たちが入ってきた。

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