ただ、愛してる。
「あれ、さすが中津さん!早いっすね」


すると、その中の1人が中津さんに声をかけ始めて、迷うことなく中津さんの隣に座ると、私へと視線を向ける。

私はドキッとして。
慌てて何もなかったかのように、再び資料へと目を通して、平静を装った。


「ああ。普通は時間に余裕を持って来るものだろ」

「言うと思いました~」


声で分かる。
もう中津さんは、仕事モードだ。

そしてこの人は、仕事モードの中津さんに動じないなんて、なんて強者なの。


「資料に目を通したのか?」

「まだっす」

「バカか。さっさと通せ」

「いや、それが聞いて下さいよ」

「言い訳はいい。喋る暇があるなら早く通せ」



………なるほどな。

部下がこれじゃ、中津さんも説教ばかりになる訳だ。

ん?
てことは、この人も営業部の人なのかな?


なんて考えながら、適当に資料をペラッとめくった時だった。

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