ひるなかの一等星
流星










学校なんて嫌いだ。
「おーい、学校行くぞー!」
あんなに退屈で息苦しい場所。
どうして毎日早起きして通わなきゃいけないんだろう。
「おーい!」
「······うるさいなぁ、近所迷惑だよ」
家の外から聞こえる声にため息をついて、私は玄関の鍵を開けた。
━━━ガチャッ
「はよ!早く学校行こうぜ!!」
間髪を入れず扉を開けて家に入ってきた彼は、私を見て可笑しそうに目を細めた。
「寝癖ついてるぞ」
「え、嘘」
「マジ。ちょっとうしろ向いてみろよ」
鞄を肩にかけた私は言われるままにうしろを向いて、髪をいじられる感触にむずがゆさを覚えた。









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