堕天使と呼ばれる女
今日も天気は良好。
まだ夏休み中なのもあって、公園はセミの鳴き声と、小さな子どもたちで溢れている。
そんな中、聖羅は1人クールを気取っている小学校低学年の男の子に気が付いた。
「お友だちと遊ばないの?」
聖羅は、その男の子にそう声をかけてみる。
『そんなのいない。』
男の子はつまんなそうに、答えた。
「いないって事は無いんじゃない?
今日もお友だちとこの公園に来たんじゃ無いの?」
『1人で来た…
ぼくは、ずっと1人…
ぼくが怪我したって、例えいなくなったって、誰も悲しむ人なんて居ないんだ!!』
そう吐き捨てた男の子を見て、聖羅は…
「そう…本当にそうなら残念ね…」
それだけ返した。
そして…
「今日は、チャイムが鳴ってから帰った方がいいわね…
そんな気がするわ。」
男の子が、人の言う通りにしない性格だと分かっていながら、聖羅はそう告げて、その場を立ち去る。
男の子は、聖羅の後ろ姿を見ながら少し考えた後、スクッと立ち上がって公園を後にした…
ドンッ!!
ガシャーン!!
公園を出てすぐの場所から、異様な衝突音が発生し、周囲に響き渡った。
「だから、チャイムが鳴ってから帰りなさいって言ったのに…」
聖羅は、そう呟いて、公園を後にした。