堕天使と呼ばれる女
直行の進言通り、組織の方針は「遺伝子操作」による延命及び能力増強では無く、「投薬」によるものへと転換した。


それにより、直行自身の組織的地位は向上したが、既に直行はもう精魂尽き果てていた…


でも、まだスミレという守るべき存在が居た。


そんな葛藤を繰り返していたある日、直行はある少女に出逢った。


類い希なる能力を持つ、幼い少女に…


直行は、取り憑かれるように、その少女にターゲットを絞り、研究に没頭するようになった。


直行は、なりふり構わず実験を行っていった。
次第に、少女の体は、日々の過酷な実験と採血などの検査のせいで、全身、痣だらけになっていった。


それでも、スミレよりも遥かに幼いその少女は、毎日とても明るく、組織内部の世界しか知らないとは思えないくらい、ハツラツと元気にしていたんだ。


その少女の天真爛漫さが、直行の中に、更なる葛藤を産んでいった…


そんなある日、直行は彼女の新たな能力と、彼女の生い立ちを知った…


………………………
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