堕天使と呼ばれる女

「検査結果とか、判明した能力の種類とか、妹さんの詳しい情報は分からないの？」

「はい、詳しくは…。
　でも、教授の話を聞いて思いました。


　沙也は、能力によって寿命を縮めるタイプだと…」


「あまり悠長にしている時間は無さそうね…


　組織の能力の研究については、ちょっとやそっとじゃ変化する事はないから、まずは妹さんとあなたの事とかについて、探りを入れましょうか…」

「どうやって？」


「買うのよ。」

「何を？」

「情報を。」


「えっ？」

「…まあ、何でも“裏”とか“影”とかあるものよ。
　組織からターゲットにされても、どうにか生き延びる人間だって、世の中には居る。

　元々、社会的立場が無かった組織の人間は、最初から抹殺されているわけで、組織が“死んだ”とさえ判断すれば、その後はある意味“自由”よ。」

「アンダーグラウンドな世界ですね…」

「そもそもの組織がアンダーグラウンドですから。」

そう言って、スミレは複雑な表情を浮かべた。