淫魔の恋のその行方
「ねえ、好きよ、淫魔さん」



彼女が俺に抱きついてくる。



「誰よりも好きなの。本当よ」



「それは、俺の魔術でそう思い込まされてるだけだ」



「でも、貴方と交わると、とても幸せな気持ちになるの。それは好きだからに違いないわ」



「違うんだ、それは、俺のキスに媚薬の効果があるからに過ぎないんだ……」



言っていて情けなくなってくる。


勢いに流されて、すべてをばらしてしまった。


もう、これで彼女との関係はおしまいだ。


俺は、彼女に拒絶される覚悟を決めていた。
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