淫魔の恋のその行方
俺は信じられない思いで瞬いた。


淫魔の魔術の効果があるのは、一度だけ?


そんな、そんなはずは――。



「ねえ、これでもまだ信じてくれないのかしら」



切なそうな彼女を見て、俺は唾を飲み込んだ。


純粋な彼女が、嘘を言っているとは思えない。



その時、俺は初めて気が付いた。


淫魔が処女しか相手にしてはいけなくて、二度と同じ人を襲ってはならない理由。



それは、魔術の効果が切れてしまうからなのだろう。
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