淫魔の恋のその行方
ようやくすべてを理解して、俺は彼女を強く抱きしめた。



「シャロン……ごめん、好きなんだ、大好きなんだ……でも、俺は汚れた淫魔だから、お前と結ばれてはいけないんだ、だから、だから………」


思いがうまく言葉にできない。


しかし彼女は気にしていないようだった。


「汚れてなんていないわ。貴方は貴方。優しくて不器用な、私の愛しい人」


彼女が自ら唇を近づけてくる。


俺はその口づけに応えた。



その瞬間、俺の体は光に包まれる。


俺はうっすらと理解した。


自分がこれから淫魔などではなく、恋をつかさどる精になるのだということを。
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