淫魔の恋のその行方
淫魔は真実の愛を知れば精霊になれるという。


そんなものは実際のところ実現不可能で、神話や伝説の類でしかないと思っていたが。


黒の淫魔から白の精霊へと、変わっていく俺の身体。


俺はようやく、彼女を真正面から愛することができるようだ。



「――シャロン」



ふたたび、口づけを交わす。


それだけで、脳がとろけそうだ。


これほどまでに大きな幸福を、俺は知らなかった。



大好き。

一生彼女を守ってやる――。



俺は天にそう誓い、俺の恋は、こうして叶えられたのだった。
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