淫魔の恋のその行方
「こんばんは、シャロンお嬢さん。今宵も、めくるめく快楽に貴女を誘いに参りました」


決まりきった挨拶をして、俺は彼女の部屋の窓の縁に腰掛ける。


淫魔ゆえ、見た目だけは整っているから、きっと絵になっているはずだ。


恭しくお辞儀をすると、彼女は微笑みとともに俺を迎え入れてくれる。


いつもそうだ。


勝手にいえに侵入し、勝手に抱いて帰っていく俺を、彼女は拒んだりなどしない。


もちろん、それには理由があるのだが。


「お待ちしておりましたわ、淫魔さん」
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