淫魔の恋のその行方
――彼女との出会いは一年前にさかのぼる。


当時、処女であった彼女を襲ったのはほんの気まぐれだった。


いつも通り、餌を手に入れるための行為にすぎない。


そのはずだった。


しかし俺は、彼女の純粋さに魅せられてしまったのだ。


普通の年頃の少女であれば、多少なりとも性には関心があるし、猥談をすることもあるだろう。


しかし彼女は、処女であるばかりかセックスをほとんど知らなかった。


そしていつも通り行為を終えて帰ろうとした別れ際、こう言ったのだ。


「貴方が誰だかわからないけれど、きっといつか迎えに来てくれるのよね。きっと、旦那様になってくれるのよね」
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