淫魔の恋のその行方
プレゼントをするたびに、汚れを知らない純粋な微笑みを、彼女は俺に向ける。


しかし、俺は知っている。


こんなの、両思いなどではないということを。


淫魔が無意識のうちに放ってしまう「魅了」の魔術にかかって、俺を好きだと勘違いしているだけだということを。



だから、彼女は本心から俺のことが好きなわけではない。


彼女は本当に好きな人を見つけて、その男と結ばれるべきなのだ。


しかし、そうは分かっていても、俺は彼女を諦めることが出来なかった。


だから、今日もこうして、彼女に会いに来てしまった。
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