渡せなかったラブレター
あたしの反応で
分かったのか
里井くんも
それからは
近づいてこなくなった

仕方のないことだったけど
なんだか
胸が痛かった


章弘は
どう思っているんだろう


会えない日々の中で
ふと
そんなことを
考えるようになっていた


嫌いなら
とらない行動もあった

でも

好きだから
とったとは言い切れない
疑問な行動もあった


一言で言えば
ほんとは
何も分からなかった


だって


話すことすら
ままならなくて

元気なのかすら
分からないのだから

そんな状況でも
好きでしょうがない自分が
ここにいることに
自分でも驚いていた


会いたい
会いたい


誰にも聞こえない
呪文のように
そればかりを
胸に巡らせていた


そんなある日


一人で歩く帰り道で
章弘を見つけた


他の誰にも満たせない
唯一無二の存在

一人ぽつんと歩く
昔と変わらない
その長い影



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