渡せなかったラブレター

やっと
章弘のために
泣くことができた

そして


章弘は
もういない



家に帰って
小学校の卒業アルバムを
何気なく開いてみた


懐かしい
幼い章弘とあたしが
ぽつぽつと載っている


ずっと見ていくと
みんな一人一人が
自由に書いた
作文が載っていた


探すと
「６年後の自分」とゆう
章弘の作文を見つけた





～６年後の自分～
オレは、バスケットの選手になっている。
さいきん、新しいわざをおぼえた。
どんどんうまくなると、ほんとに楽しい。
いつかでかい試合に出て、
いっぱい点を入れてやる。
将来のオレは、
マイケルジョーダンのようになっていると思う。





途中から
涙でぼやけて
見えなかった




章弘に
６年後は来なかった



このまま生きていたら
なれてたかもしれないよ？



ねぇ章弘



天国にも
バスケはあるのかな？