これから、わたしは太陽を食べます
「ほ、本当に……?」
「心配しなくてもいーわよ。私ねぇ、そういう魅了する力があるのよ。術使えば1発よ」
得意気に語る彼女だったが、成功したとはにわかには信じられなかった。
あの愛は本物だった。
並大抵じゃないことくらいわかってる。
だって同じ匂いがしたんだ。
素戔鳴尊が櫛名田比売を思う気持ちと一一。
「舐めないでよね、一応神の子供なのよ、私」
「……そ、そっか」
「ええ…。ああ、お父様にご褒美もらいに行かなきゃ。じゃあね」
美しく笑って、ルンルン気分で去っていく彼女。
彼がいるであろう襖の向こうを覗く気には、到底なれなかった。