これから、わたしは太陽を食べます
「そ、そういえば、今確か街には旅の細工職人が来ているそうですよ。よってみてはいかがですか?向こうに帰るとき、皆さんにお土産として持っていかれたらどうでしょうか」
「本当かい?それはいい案だ」
あの可愛らしい女の人にお土産を渡す場面を想像して、顔がほころんだ。
彼は目を輝やかせ、しかし急に困った顔をした。
「……しかし…どうにも僕は趣味が悪いと言われてるのだ」
あ、天津神が?
「里ちゃん、よければ一緒についてこないか?」
「え?そ、それは」
「一緒にまわろうじゃないか」
「いえ!わ、わたしは仕事が!」
「一日くらいいいだろう、大国主に言ってくる」
必死にとめたのも虚しく、かれはさっそく大国主の元へ行ってしまった。
え、えらいことになった。
笑顔で大国主へと向かう彼は、やっぱり人懐っこい邪気のない感じで、恨めない。
……まったく。
わたしはどうして、変なことに巻き込まれやすいんだ。