これから、わたしは太陽を食べます
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「はじめまして、里(サト)ともうします。身の回りの世話を主から申し使わりました。どうぞなんなりとお申し付けくださいませ」

ふかぶかと礼をして、顔を上げる。

屋敷仕えの童女と化したわたしをみて、彼一一天稚彦(アマノワカヒコ)は目を細めた。

「はじめまして。よろしくね」


くらくらするような眩しい笑みに、吐き気がした。

根の国ではこんな顔をする人を見たことがなかったからだ。

これが天津神、太陽神の息子か。

わたしとは相容れない美しすぎる存在に、まゆを歪めた。




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