これから、わたしは太陽を食べます


「で、その…娘を使えばいいの?」


「ん。色仕掛けが一番効くってあいつは言ってたけど」


「もし無礼だって怒られたらどうしよ…」


「あらかじめ媚薬成分の入った香を炊いておくよ。まああの女なら抱きたくなるんじゃないかな?」


「そ、そうか。なら…あ、天津神にも香って効くのかい??」


「だから言ったろ?あいつの今の体は人間。葦原の中津国でお前ら人間に認識してもらうには人間になるしかないのー」


「そ、そっか。ごめん…」


不安要素は抜けないらしい、このわたしがこんなに説明してあげたのに。

めんどくさいったらありゃしない。


「ああもう、わたしこれから夕飯届けなきゃなんないのっ!行っていい??」


「あ、うん…ごめん」


イライラして、半ば逃げるように離れた。


こいつのために働いてるのかと思うと、心底ムカついた。


素戔鳴尊もむかつくが、こいつもホントむかつく。


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