これから、わたしは太陽を食べます


天稚彦は何日間もかけて大国主を説得するようにと言われてきたらしい。


逆に言えば承諾をもらうまで帰ってくるな、だ。


大国主は国を渡す気がないし、当然一日二日ではすまない。


その間彼は屋敷に暮らすことになる。


女中が作った夕食を嬉しそうに食べながら、彼はわたしに話しかけてきた。


というか人懐っこい性格なのだ。


近くに誰かいると話しかけずにはいられない。



「ねえ、里ちゃんって言ったっけ」


「はい」


「えらいねえ、ほんとうによく働いて。この夕食だって重かったんじゃないかな?」


「いえ、お仕事ですから」


私は元は鬼だ。

体格的にはあまり強くなく、身長は120cm前後。

あるのは霊力だけ。

なので霊力をうまいこと使って“体力のある子供”に化けたのだ。


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