俺たちの妹・3
日常の変化

葵side…

「葵〜、俺そろそろ行くけど」

「待って、すぐ行く‼︎」

「葵、ひな兄、いってらっしゃい」

「「みぃ、行ってきます‼︎」」


無事に医師国家試験に現役合格して、研修医として働く日々が始まって半年。

研修医の朝はバタバタと忙しい……

「あ‼︎ 忘れるところだった…みぃっ‼︎」

みぃの腕をギュッと引っ張って、抱きしめ、キスを落とした。

「ふふ、今日も1日頑張ってね」

「その笑顔見れたら頑張れる」

朝からみぃに見送ってもらえたし、今日も1日頑張れそうだ。


「葵、相変わらずみぃが好きだよな〜」

「いいじゃん、ほんと好きなんだもん」

「まぁいいけどさ……大事にしてやってな?」

「もちろん。今以上に大切にするから、ひな兄は安心して?」


朝からこんなやりとりするのも、ひな兄が勤めている病院で研修医としてお世話になり始めてから。

夜勤じゃない日以外は一緒に行っている。

外から見てた病院の雰囲気と中に入って働く雰囲気とで違うのかと思っていたけど、あまり違和感を感じなくて……

元々知り合いの多いこの病院は、俺にとっては働きやすい場所だった。

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