俺たちの妹・3
美晴をそっと抱きしめる。

こんな小さな身体で頑張ってるんだよな……

美晴の不安を取り除いてあげたいな……

ずっと美晴の傍にいた俺は、いつからか、美晴の不安を取り除く為にも、自分で診察出来るようになりたいと思っていた。

それが実現出来るようになるのは数年先の話だけど、将来を考えるには、美晴はいい機会を与えてくれていたんだ。


『みぃちゃん、森先生日向くんと一緒に検査していいって。よかったね』

宮本さんが、ニコニコしながら教えてくれた。

『ほんとう?』

『本当だよ。でもね、それまでに一回だけチックンしなくちゃいけないの。今、日向くん一緒にいてるから、出来るかな?』

宮本さんの言葉に美晴は、俺にぎゅーっとしがみついてきた。

『ひなにぃ……いっしょ?』

『勿論、一緒に居るよ。美晴が怖い時に1人にしない。約束するよ』

『………………がん、ばる……』

そう言いながらも、俺にしがみつく美晴はきっと怖いんだろうな……

『みぃちゃんの気持ちが変わらないうちに、今日の点滴しちゃいましょう』

宮本さんは、素早く準備を始め、美晴の腕に消毒を塗る。

ピクンと反応して、俺にしがみつく力を更に強めた美晴。

『みぃちゃん……もう少しだけ力抜こうか……』

苦笑いの宮本さん。
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