俺たちの妹・3
「笑える元気があるなら、体調はマシって事かな?」

ふと我に返った葵がチェックシートに目を通す。

あ……それあんまり見てほしくない…

「葵も医者らしくなってきたな。本人に詳しく聞く前にそれに目を通すようになってる」

「みぃに嘘は言って欲しくないけど、言いにくい事もあるだろうし。看護師さんになら素直に言ってるかなと思って」

かな兄の指摘に少し照れた葵。

「で、美晴は体調どうなの?」

見逃してくれない三人が目の前にいる。

仕方ないか……

そう思い、体の力を抜いてベットにもたれた。

「体が怠くて、さっきから喉が少し痛いの…喘息は出てないけど、そろそろ季節の変わり目だから、それも影響してるのかな…とか思ったり」

「そっか。ちゃんと話してくれてありがとう。後で司さんのところ行ってみるよ。今は辛くない?」

「大丈夫」

「分かった。お昼は食べれた?」

「……喉が痛くて、少しだけ」

「そっか。みぃ今はゆっくりして、体調戻す事を考えるんだよ」

葵はそう言って頭をなでてくれた。

葵の優しい言葉に安心したのか、いつの間にか眠ってしまっていた。





『俺、司さんのところへ行ってきます』

『俺も一緒に行くよ。日向、時間まで傍にいてあげて』

『了解』

三人のこんなやりとりがあったなんて知らなかった。

< 128 / 429 >

この作品をシェア

pagetop