俺たちの妹・3
さて、入るか。

コンコンコン

「はぁい」

「みぃ、どう?」

「つ、くん。葵が、注射ケホ、してくれた」

「良かったな」

みぃは嬉しそうに頷いた。


チェックシートに目を通す。

熱高いな~。

早く下げてあげたいんだけど……

みぃを見ると、ベットに横たわりながらぐったりとしている。

「熱、解熱剤入れないと下がらないな…」

今日で一日目だしまだまだ高熱続くだろうな…

「寒気はある?」

みぃは震えながら頷いた。

「そか……」

「みぃの体熱いです」

「そうだな……今冷やしても寒いだけだろうしな…暖めてあげよう」

みぃはいつの間にか眠ってしまっていた。


「少し、聴診しておくよ」

「咳出てきてますしね…」

首元に手を当てるとほんとに熱い…

「みぃ少し、聴診するね」

そう声をかけてから聴診を始める。

喘鳴は聞こえないから、発作の方はまだ大丈夫。

だけど、喉が痛いと言っているから脱水が心配だな……

「喘鳴は今のところ大丈夫。だけど脱水を防ぐ点滴と抗生剤の点滴は追加だな」

「みぃ、起きてても水分取れてないです。起きてる時間も少ないですし……」

「起きてても、痛みと寒さしかないんだったら、眠れてる方がいいよ。ただ……起き上がれないだろうし、カテーテル入れとかなきゃだなと思って。前園さんにお願いしておくよ」

「みぃ、嫌がるでしょうね」

「何度か入院中にしてるけど、いつも嫌がる気力もない事が多いんだよ……」

年頃の女の子には可哀想だけど、トイレの度に辛い思いして起き上がるのも辛いだろうし、仕方ない事だからな。







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