俺たちの妹・3
「じゃぁ、俺は前園さんにお願いしておくよ。また何かあれば連絡入れて」
  
「分かりました」

俺はそっと病室を出て、ナースステーションへ向かった。

みぃは嫌がるだろうけど、医者としては少しでも楽にしてあげたい思いがあるから、心を鬼にする事も必要な事だと思う。

「前園さんいる?」

「山内先生、どうされました?」

「みぃなんだけど、カテーテル入れてあげてほしいんだ」

「……みぃちゃん辛そうですもんね……分かりました。みぃちゃんの体調見ながら落ち着いてるときにやりますね」

「タイミングは前園さんに任せるよ」

「はい」

前園さんには、みぃのデリケートな部分の看護もお願いしてるから、今回もきっと大丈夫だと思う。



その日の朝の回診までに前園さんは処置してくれていた。

ほんと仕事が早いな……

「山内先生」

「ん?何?」

回診へ行く廊下で前園さんが話しかけてきた。

「明け方にみぃちゃんの熱も少し落ち着いてたので、カテーテル入れました。でも、いつも以上にぐったりしてて……」

「熱、解熱剤使わないと下がらないもんね。でもこればっかりは、下がってくれるのを待つしかないから……」

「そうですよね……見てるこっちが可哀想になっちゃって」

「少しでもラクになるようにしてあげたいな……」

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