俺たちの妹・3
そう言えば、俺がみぃを担当し始めた頃は、どんな時でも『大丈夫』で済まされて入院生活長引いてたんだよな…



『みぃ、久しぶり。今回から森先生に変って俺が担当することになったんだ。よろしくね』

俺が高校卒業してからはなかなか会う機会がなかったみぃと再会した場所は、就職した病院だった。

ここにみぃが通っていることは知っていたけど、小児科に通っているみぃとは科も違うし会う機会もなかった。

『つーくん?』

幼い頃からずっとそう呼んでくれていたみぃは、久しぶりの再会でも変らず「つーくん」と呼んでくれて、緊張していた俺の心を安心させてくれたんだ。

『はは、みぃからそう呼ばれるの久しぶりだな。みぃ大きくなったな』

『私ももう中学生になったんだよ~』

『俺が会ってた頃は小学生だったもんな。美人になっててカルテなかったらわからなかったよ』

『ふふ、つーくんったら』

『それじゃ、ちょっと診察させてくれる?』

『うん』


戸惑いなく診察させてくれるみぃは、病院に通い慣れている事を示していた。

俺は聴診を始める。

え…結構喘鳴聞こえるんだけど……

『みぃ、今辛くないの?』

『大丈夫』

いつもこれくらいなのかな……いや、息苦しいはずだ。

『酸素濃度計るね』

やっぱり低いよな…

『瞼下げるよ』

貧血もあるな~
 
みぃは小さい頃から体が弱いって彼方から聞いてたけど……

今の状態は絶対しんどいはずだよな…

だけど大丈夫って言ってるし……どういうこと?
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