俺たちの妹・3
「運ばれて来た時よりは良くなってるけど、雑音はまだまだ残ってるね……」

「みぃちゃん、まだ苦しそうだもんな……」

楓も仁もみぃの体調に寄り添ってくれていた。

「お前たち3人はきっとこれからもみぃちゃんの事、診ることがあると思う。
今回の音、忘れるなよ。
みぃちゃんに限らず、他の患者さんでも似た様な事になる場合がある。病院嫌いの患者さんは隠そうとしたりするから、しっかり見抜くんだよ」


「「「はい」」」

やっぱり救急外来は勉強になる……そう思わずにはいられなかった。


数日後、ようやく目を覚ましたみぃは、

「葵……ごめんね…」

と言葉を零した。

「謝ることないよ。目が覚めてよかった……どう?まだ苦しい?」

「酸素あるから、苦しいのはマシかな……でも、少しぐるぐるしてる」

みぃは隠さず俺に伝えてくれた。

「そうか…多分苦しさ軽減されてるのは、酸素のおかげかな……それと、ぐるぐるは多分貧血かな……」

「……葵、お医者さんみたい」

みぃは苦笑した。

「俺も成長出来てる?」

「………とっても」

みぃは嬉しい言葉を伝えてくれた。

そっと触れたみぃのおでこは、まだ熱かった。
< 14 / 429 >

この作品をシェア

pagetop