俺たちの妹・3
『城乃内美晴さん、喘息発作と発熱で救急に運ばれてきます』

『え?』

『山内、担当だろ?救急急げ!!』

『はい!!』

嘘だろ…1週間前は発作止めの点滴もしたし、貧血も見られたから、薬も出した。なのになぜ発熱と発作が起こってるんだ?

俺は訳も分からず、ただみぃが運ばれてくる救急へ急いだ。

『司!!』

『樹…』

『美晴ちゃん、司の担当なんだろ?』

『あぁ。1週間前に喘鳴が聞こえてたから、発作止めの点滴はして、貧血も見られたから薬は出しておいた。本人からは辛そうな感じは見れなくて』

『信じたんだな』

『え?』

『美晴ちゃんの言葉を信じたんだな?』

『あぁ』

『司、今回は仕方ないけど、次からは患者の言葉は真に受けるな。自分で確かめたものを信じろ。じゃないと大変なことになるぞ!!』

そういって樹は到着した救急車に駆け寄った。

『発作が起こってから30分は続いてます。意識混濁、血圧も下がってます』

『まずいな…司、急ぐぞ!!』

俺は樹の言葉に頷いて、処置室へ急いだ。


『城乃内美晴さん、喘息発作が30分ほど続いています。意識混濁、血圧下がってます』

樹の言葉に周りにいたスタッフが次々に動き出す。

『酸素マスク用意と血圧と体温計って。美晴ちゃん?分かるかな?病院ですよ~』

反応を示さないみぃ。

ゲホッ、ゴホッ、ヒュー、ゴホゴホッ、ゲホゲホッ、ヒュー、ゴホゴホッ

『発作止め打つぞ~』

一人の先生が打とうとしていた発作止めの点滴薬を見て咄嗟に出た言葉。

『あ、その薬はアレルギーあります』

『マジ?どの薬ならいける?』

『えっと…これです』

『サンキュ、助かった』

見てるしか出来なかったけど、役に立って良かった。
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