俺たちの妹・3
救急の先生たちの素早い処置のお陰でみぃの発作は落ち着いた。

樹が話しかけてきた。

『発熱が治まるまでICUで看るよ。発作もまだ落ち着いてないし』

『診察させてもらってもいいか?』

『もちろん。担当患者の事は知っておきたいもんな』

そう言って、みぃのベッドへ案内してくれた。



聴診器をそっと滑らす。

うわ…前回と比べモノにならないくらい酷い…

『これでもマシになってる』

『こうなる前に止めたかったな…』

『大丈夫、司ならみぃちゃんのSOSに気づいてあげれるよ』

『そうなれるように頑張るよ』



暫くICUに居たけど、仕事も残ってるし医局へ戻った。

『司お疲れ、彼方が来てるよ』

先輩が教えてくれた。

『ありがとうございます』

『司、みぃの事診ててくれたんだな。ありがとう』

『いや、俺は何も出来なかったよ』

『みぃの変化見破るの難しいだろ』

彼方は苦笑しながら話し始めた。

『え?』

『俺も日向も最近のみぃの嘘に手を焼いてるんだ』

『彼方も日向も?』

『そうだよ。兄貴なのに情けない…』

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