俺たちの妹・3
『彼方……』

『だからさ、司がみぃの嘘を見破れなくても気にする事ないって伝えようと思って』

どうして彼方がここに居るのかと思ってたけど、俺の事を気にかけて、わざわざ来てくれたんだな…

『彼方、ありがとな』

『司がみぃの主治医になったってみぃから聞いててさ。今日の事、凹んでないかと気になって』

『樹と救急で一緒になって、アドバイスもらったよ』

『樹も喘息持ちの妹いるからな』

彼方はクスクス笑った。

『きっとこれから長い付き合いになると思うんだ。だけど、見放さないでやって』

『当たり前だろ!!』

『……よかった』

『出来れば、みぃの状態を共有したい』

彼方と話してて思った事。

『共有?』

『家での様子は俺には分からないから、いつもと違う様子の時があれば教えてほしい。その代わり、検診や病院でのみぃの様子は必ず伝えるから』

『なるほど。そうすれば、みぃがもし嘘をついても見破れるかも知れないってことだな』

『上手くいくかは分からないけど…』

『試行錯誤でも、みぃにとっていい方法が見つかるなら俺はそれでいいよ』


こうして、俺と城乃内家での情報交換が始まった。


みぃの熱は3日かかってようやく下がった。

喘鳴も落ち着きを見せ始めて、ようやく病室に戻れたみぃ。

『つーくん、ごめんね』

ICUでは高熱のために意識が朦朧としている事が多かったみぃ。

病室へ戻ってからの第一声が謝罪だった。

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