俺たちの妹・3
「最近、元気だったのに………またみんなに迷惑掛けちゃってる……」

「誰も迷惑なんて思ってないよ」

「……家族にもボランティアの人にもかな兄のお仕事にも迷惑掛けてる……」

「またみぃの元気な顔を見せられたら大丈夫だよ」

「………………うん」

みぃの歯切れの悪い返事に思わず苦笑した。

きっと俺がいくら言っても納得しないだろうな……


暫くすると、寝息が聞こえてきた。

こんな状態の時には、身体を治すことだけを考えてくれたらいいんだけど……

みぃの中できっと凄い葛藤があるんだろうな……

俺は少しだけ側にいてから、医局に戻った。


「葵、みぃちゃん目が覚めて良かったな」

楓が声をかけてきた。

隣には仁もいた。

「楓も仁も気にかけてくれてありがとな。まだ熱高いから暫くここにいると思うんだ」

「みぃちゃんもだけど、葵も無理すんなよ」

仁が優しい言葉を掛けてくれた。

「俺は大丈夫だよ。体力ある方だし」

「体力じゃなくて、精神的にだろ。葵、今回みぃちゃん運ばれてきた時、珍しく動揺してたからさ…」

楓も仁もほんと侮れない……

「動揺は確かにしたよ。前触れなんて無かったしね。でもいつでも冷静でいなきゃいけないんだよな……」

「いやいや、そんなのまだまだ無理だから」

「葵はいつも俺たちより先を走ってるけど、ゆっくり色んなことを経験して吸収するのでいいと思うよ」

仁と楓の言葉は有難かった。
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