俺たちの妹・3
持ってきた絵本も残すところ一冊。
「じゃぁ、このお話で今日は最後にするね。あるところにとても可愛らしいお姫様がいました。…………」
「みぃ?」
お話の途中で声をかけられて思わず振り向くと、驚いた顔をした葵がいた。
…………まずい
葵にもすぐに帰るって話してた。
でも葵がどうしてここに居てるの?
「検診終わったんでしょ?どうしてここに居てるの?」
そう言って、私に話し続ける葵。
「もー、たにぐちせんせい。おはなしのじゃましちゃやだー」
一人の女の子の言葉で分かってしまった。
今の葵の研修先が小児科なんだ……
「え、いや、舞ちゃん。今日はお姉ちゃん来ない日なんだよ」
「でも、きてくれてるもん。おはなししてくれてるもん」
「じゃぁ、この一冊だけいいか、舞ちゃん、お願いしてくれる?」
「うん、たにぐちせんせい。このおはなしでおわりだからよんでもらってもいい?」
子どもにおねだりされたら、断れないよね。
だって舞ちゃんは悪いことしてないし……
「…………後一冊だけだよ」
良かった……ちゃんと読んであげれる。
「はぁい」
元気よく答えた舞ちゃんは嬉しそうだ。
「じゃぁ、このお話で今日は最後にするね。あるところにとても可愛らしいお姫様がいました。…………」
「みぃ?」
お話の途中で声をかけられて思わず振り向くと、驚いた顔をした葵がいた。
…………まずい
葵にもすぐに帰るって話してた。
でも葵がどうしてここに居てるの?
「検診終わったんでしょ?どうしてここに居てるの?」
そう言って、私に話し続ける葵。
「もー、たにぐちせんせい。おはなしのじゃましちゃやだー」
一人の女の子の言葉で分かってしまった。
今の葵の研修先が小児科なんだ……
「え、いや、舞ちゃん。今日はお姉ちゃん来ない日なんだよ」
「でも、きてくれてるもん。おはなししてくれてるもん」
「じゃぁ、この一冊だけいいか、舞ちゃん、お願いしてくれる?」
「うん、たにぐちせんせい。このおはなしでおわりだからよんでもらってもいい?」
子どもにおねだりされたら、断れないよね。
だって舞ちゃんは悪いことしてないし……
「…………後一冊だけだよ」
良かった……ちゃんと読んであげれる。
「はぁい」
元気よく答えた舞ちゃんは嬉しそうだ。