俺たちの妹・3

日向side…

美晴が発作を起こして、救急車で運ばれてきた。

葵が結構凹んでて、なんだかいつもの俺を見ているみたいだった。

「葵」

病院の廊下で俯いてる葵を見かけたので声を掛けた。

「あ、ひな兄……」

葵は瞬間的に顔をあげた。

「存在が暗いぞ」

「はは……………なんか無力さ感じて。今までは、みぃが発作を起こしても、俺ができる事って少ないってのは、分かってたから割り切れてたんだけど、今は研修医になって、少しはできる事増えたんじゃないかと思ってたんだけど……
実際はそんな事なかったな〜って……」

「葵……俺も昔似たような事で落ち込んだよ。俺が研修医になった頃は、兄貴や司さんはバリバリ働き始めてて、年齢もあんまり変わらないのに、出来る事に差がありすぎて、ほんと焦った。
でもさ、経験の差があるのは当たり前だから。美晴が苦しんでる時に助けてやりたいって思う気持ちがあれば、今は十分なんだよ。今の悔しい気持ち、ずっと忘れるなよ‼︎」

葵は俺の言葉を聞いて、少し元気を取り戻した気がした。

「ひな兄、ありがとう。俺頑張るから‼︎」

「あぁ、その気持ちがあれば十分だ」
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