俺たちの妹・3
体調管理

美晴side… 

前回の入院から体調は随分と落ち着いている。

葵とひな兄が目を光らせてるからだろうけど……

私だって社会人として、体調管理は怠りたくない。





「みぃ、これよろしくね」

「はぁい」

手渡された書類の束。

今日はかな兄の社長室で、みなくんとかな兄の3人で仕事に取り組む。

かな兄やひな兄は、私が会社に行くことにあまりいい顔をしないんだけど、月末の3日間は、忙しくて人手がどうしても足りないみたいで、しぶしぶ了承してくれたのは、私がかな兄の仕事を手伝いだしてから半年経った頃。

それから毎月3日間だけ会社に出勤している。

みなくんが、運転手さんと一緒に車で迎えに来てくれて、かな兄と私を乗せてくれるから、通勤での心配事がないのは、私もありがたかったりする。

別に仕事終わりに何処かに行きたいとか思わないし、疲れた体も休められるから……

「湊、こっちにある分は目を通したからよろしく」

書類が山積みにされてる方を指差すかな兄。

所々付箋が付いていたりして、きちんと目を通してるのが分かる。

「分かりました」

みなくんは会社では、かな兄に敬語を使う。

プライベートになるとタメ口に戻るんだけど、オンオフを切り替えるんだって言ってた。

それに職場でもタメ口だと、咄嗟の時に敬語が出ないと困るからだって。
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