俺たちの妹・3
「山口さん、俺と社長もみぃと同じランチでお願いします」

後ろからみなくんの声が聞こえた。

「はいはい。湊くんもいつも格好いいね。目の保養だよ」

山口さんは、食堂に来る社員の顔と名前を覚えていて、いつも一言言葉を交わしているんだって。

「ふふ、みなくん褒められてるね」

「いつも褒めてくれるから照れるよ」

みなくんはまた頬っぺたをポリポリ。

ふふ、葵と離れてるけど、葵が傍に居るみたい。

3人でランチを囲んで食べ始めて、穏やかな時間が流れる。

「みぃ、手が止まってるよ」

そろそろお皿が空っぽになりそうなんだけど、もう入りきらなくて、手を止めていたら、かな兄からの指摘……

「もぅ、無理だよ……」

「調子悪い?」

「ううん、大丈夫。でも今日はちょっと量が多くて……」

苦笑すると、みなくんがひょいっとお皿を持ち上げた。

「そんな日もあるよな。俺まだ食べれるからもらっていい?」

「うん、みなくんありがとう」

さりげない優しさが嬉しい。

「まぁ、殆んど食べれてるし大丈夫か……みぃ、もし体調悪くなったら言うんだよ?」

かな兄の心配性が発揮される。

「はぁい」

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