俺たちの妹・3
一緒に大学で学んでいた楓と仁も同じ病院でお世話になっていて、3人で

「「「腐れ縁だな」」」

と笑いあった。


そんな俺たちは少し前から救急外来で勉強している。

「おはようございます」

医局に入ると

「葵おはよ〜」

小林先生が、ソファーに寝転がりながら挨拶してくれた。

「昨晩は忙しかったですか?」

「ん〜、ちょ〜っとね。だから、カンファ始まるまで寝るからまた起こして」

「わかりました」

このやり取りも慣れたもの。

最初は驚いたけどね。


救急外来の医局には先生方があちこちで眠っている。

休める時に休んでおかないと体が持たないらしい…


昼夜問わず患者さんが運ばれてくるから、ほんと大変な科だと思う。

だけどその反面すごく勉強になる。

救急の診断と処置の速さは的確で素早くて、いつも緊張感に包まれている。


そんな中での俺たち研修医は、雑用や簡単な処置などが殆どだけど、側にいるだけで勉強になるし、時々、先輩先生方は俺たち研修医に聞きながら処置を進めたりする。

だから勉強になってるんだろうな……
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